HAPPY MILK PROJECT

モザンビーク訪問レポート

2012年度 ハッピーミルクプロジェクト+ぷらす レポート

1.視察の目的

(1)4年間のハッピーミルクプロジェクトの一定の到達点と課題の確認
(2)ハッピーミルクプロジェクト・メッセージ集の贈呈による交流

視察場所 2012年度 視察先
2012年度 モザンビーク視察 訪問地

2.モザンビークの子どもたちの現状

  1. 58%の子供が貧困ライン以下の生活を強いられ、州によって格差が広がっている
  2. 子供の43%が慢性的な栄養不良に苦しんでいる。
  3. 発育阻害が8年以上経っても40%以上となっており、発育阻害に焦点をあてなければならない。
  4. 子どもの主な死亡要因
    1位.マラリア、2位.新生児疾患、3位.呼吸器感染症、4位.エイズ
  5. 2009年のHIV感染率は11.5%で15歳~49歳に集中。約67万人の子供たちがAIDSのため早期に親を亡くし孤児
  6. 急性栄養不良では5%以下にする目標に対して、5%を超える状況となっている。
    急性栄養不良は感染症に感染し急激な体重減少を起こし、おしりの肉がなくなり、皮膚の症状がでたり、髪のいろが変色したり、むくみなども出る。見て直ぐにわかるものと、浮腫でわからないものがある。北の方ほど栄養阻害が多く発生している。しかし、マプトにも25%ある。
  7. 出生時体重2.5キログラム未満が1,300万人、低体重の率は15%。
  8. 就学適齢期の子供のたった15%のみが小学校を卒業している。
  9. その他病気の症状
    • 微量栄養素欠乏症・・・鉄、ビタミンA、ヨウド不足により発症。
    • ヨウド欠乏症・・・6歳~14歳の子どもの68%がかかっている。甲状腺肥大、脳障害、流産を繰り返す、足が成長せず歩けないなどの症状。
      ※ヨウド欠乏症の調査についてもユニセフ募金を使っている。
    • ビタミンA欠乏症・・70%の子どもが発症。女性は14.3%で失明の恐れのある病気。
    • 鉄欠乏症・・・就学前の子ども68.7%、妊娠中の女性53.9%と高い割合で患っている。

3.視察内容

(1)保健センターでの支援活動
  1. 保健センターの状況
    医師が不足している為、保健センターが病院、小児科の役割も果たしています。マプト市内のマルガンガレネ保健所では1日に500名もの人が訪れています。
  2. 妊娠中のケア
    栄養不良は妊娠中から始まるということもあり、妊娠中から栄養や過ごし方を指導しています。
    妊娠~出産~授乳までできる人形の写真 妊娠~出産~授乳までできる人形。お腹の赤ちゃんが出てくると、おっぱいにボタンがついていて、赤ちゃんの口とくっつく。
    おっぱいの模型の写真 おっぱいの模型。中に小さなボールがいくつも入っていて乳腺を理解できるよう工夫。
    妊娠~育児までを分かりやすく絵にしたボードの写真 妊娠~育児までを分かりやすく絵にしたボード。識字率が低いことから、見て分かる工夫をしています。
  3. 出産
    • モルンデネ郡の保健センターでは、1ヶ月に125人も出産があります。人口14万932人に対して、Drは1名のみ。出産は出産時赤ちゃんを取り上げるのは、母子保健訓練を受けた看護師が行う。
    • 出産後24時間で自宅に帰る。帰宅時は歩きかバス。
    • 救急車が1台しかないため、移動手段が問題。
  4. 検診・栄養指導
    • 出産後は1年間は1ヶ月に1回、2年目~は2ヶ月に1回の検診を受けるように指導。
    • 検診では、1.身体測定 2.ビタミンAのカプセル投与(1ヶ月2回) 3.寄生虫駆除(6ヶ月1回)などを行っている。
    • 栄養不良の子どもへは、「プランピーナッツ」(ピーナツクリーム味の栄養補助食品)を与えています。
  5. 実演栄養指導
    離乳食のデモンストレーションの見学
    • 離乳食のデモンストレーションでは実際に離乳食の作り方を見せながら試食も行います。キャッサバ、パパイヤ、オレンジ、お魚など。
    • 伝統的な、「卵を食べると髪の毛が生えなくなる」という迷信があり、卵を食べさせないお母さんもいる為、ポリッチ(おかゆのようなもの)キャッサバと卵黄を混ぜたものをすすめ、栄養があることを証明するために実演試食を行っていました。
    • 離乳食のデモンストレーションの写真
      離乳食の写真
  6. 母乳育児の促進
    生後6ヶ月までの完全母乳育児を促進しています。
    悪しき風習で、で母乳を与えると良くないということがあり、母乳育児の促進も行っている。
    母乳を促進するポスターでは、有名な歌手をモデルにするなどで普及したり、父親を巻き込むことが大切であるため、「父親と一緒に」を強調することをポイントにポスターを作成し促進している。
  7. 家族計画指導
    モザンビークでは出生率が高く、地方や農村部では特に14歳など若くして母親になる子どもたちも多くいるそうです。貧困と知識不足から、家族計画を知らない人が多いため、家族計画について指導することも重要な課題で、新生児検診の待合室には避妊など家族計画についてわかり易く絵やポスターなどで知らせていました。
(2)コミュニティでの支援活動

保健員カルドージアさん(25歳)の活動見学

  • 保健員になって2年。それまではボランティアとして活動していた。保健員として地域へ訪問し、子どもたちの健康観察、薬の処方、講習会などを行っている。
  • 直径で8キロメートル~10キロメート圏内、400世帯で2,000人を担当しているとのことです。自転車で訪問。
  • 毎日、7時~15時まで活動しているが、具合の悪い子どもがいればそれ以外でも行動しています。自給自足の生活、7時前に自分の農作業を行ってからの活動をしている。
    「コミュニティが良くなることを信じて活動し」そのことがモチベーションに繋がっているとのことでした。コミュニティでの活動がたくさんの命を救っています。
(3)コミュニティ保健員の育成

コミュニティでの保健員の研修プログラム見学

  • 保健員さんになるための研修プログラム。研修施設は保健員と地域を繋ぐコミュニティの場ともなっています。保健員の研修は1週間で、定期的にステップアップの研修も行われます。研修では学習したことを発表していました。
  • 教材はマプトの保健省で見せてもらったツールと同じものを使用しており、同じレベルで一貫した教育が行われていました。男性が多いことにも驚きました。皆真剣そのものでした。
  • 保健員の研修プログラムの写真
    保健員の研修プログラムの見学している写真
(4)チャイルド・トゥ・チャイルド視察

【マプト国営ラジオ】

    マプト国営ラジオの写真
  • 子どもたちによる子どもたちの為のプログラムで、子どもたちの権利を広げるための取り組み。
  • ラジオ製作を企画、編集、ナレーションまで全て子どもたちが行っています。300人が参加している。
  • モザンビーク以外の州含めて11箇所あり、国営テレビ局、ローカルラジオなど含めると1500人くらいの参加となっており、ユニセフが活動を支援している。
  • 「テーマを決める」ところから行っています。1.子どもの権利について2.児童労働について3.交通安全についてなど実施しています」他にも、面白い体験や星座、宇宙についてなども発信しています。
  • 地方でも色々なことを知ってほしい気持ちで取り組んでいます。数字や読み書きについても学べるように工夫しています。
  • 「私が子どもだったら」有名人にインタビューして、夢を追う子どものきっかけとなるような取り組みにもなっています。

4.メッセージ集贈呈

  1. マルハンガレネ保健センター
  2. モザンビークラジオ局
  3. モルンベネ郡の保健センター
  4. モルンベネ郡のラジオ局
  5. マシンガ郡のコミュニティ保健員さん
  6. コミュニティでの保健員の研修員の皆さん
  7. イニャンバネ州保健局
  8. ユニセフモザンビーク事務局
  9. メッセージ集贈呈の様子の写真

5.メッセージ集の贈呈

【視察メンバーからの報告】

  • 支援してきたことの効果を視察することできて良かった。
  • ラジオ局では子どもたちが人権について真剣に明るく取り組んでいる姿が印象的だった。
  • 印象に残ったのは保健員さんの研修の場で、皆真剣に取り組んでいたこと。男性の保健員さんが多いこともとてもいいと感じた。
  • 国、州、保健センター、ラジオ、行政、民間、が縦のラインで確実につながっていると感じた。男女、年齢問わず取り組まれており、仕組みもしっかりとしている。遠い異国の地での取り組みは見えにくいのでビデオを通して伝えていきたい。
  • こちら側の紹介など知っていただくことも必要だと感じました。
  • 取り組みが確実に成果を上げ、多くの命を救い、病気を予防していることを知ることができて良かった。これからも支援を通して一緒に取り組み、多くの命を救い、予防し皆が幸せになるようにと心から願っています。
  • 視察メンバーとの写真
 
ジェスパ代表の写真

【ジェスパ代表よりメッセージ】

2012年も経済危機が起きているため、あらゆる機関で資金不足が続いている。世界保健機構も資金不足の状況となっている。ユニセフを支えてくれている人は献身的な人々です。日本でも大震災のあった中で支援を継続してくれていることに改めて感謝しています。

バックナンバー
シエラレオネ訪問レポート2014
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