HAPPY MILK PROJECT

モザンビーク訪問レポート

2013年度 ハッピーミルクプロジェクト+ぷらす レポート

1.視察の目的

  • 5年間の支援と募金の活用状況の把握
  • 現地の医療従事者やボランティアなどへ組合員からのメッセージ(2,500枚)の贈呈
  • コープはこれからも、モザンビークのことを想い、応援していることをお伝えする

2.2013年の視察場所

2013年の視察場所の写真

3.モザンビーク共和国の子どもたちの現状

モザンビークの過去20年間の進展
  • 貧困率は、54%で、1997年の69%から減少したが、2003年からは変化がない。
  • 経済成長率は2005~2010年で、7.5%であるが、この数字は富裕層のみで、格差が広がっている。(現在は8~9%)
  • HIVの母子感染予防(PMTCT)と治療が2005年以降大幅に増加している。家族計画の教育、治療などのサービスを受けられる場所が2006年の222から、 2010年には909に増加したる。
  • 5歳未満児の子どもの出生登録は47.9%で、2008年の31%から大幅に増加している。
  • 小学校の初年度進学率は81%
モザンビークの課題
  • 急激な経済成長にもかかわらず、モザンビークは依然として世界の20位の最貧国にランクしており、子どもたちの約55 %は貧困ライン以下の生活(1日あたり18 MT(約60円))。特に地方全体で大幅な格差が対処する必要がある。公平性のある活動を行うことが一番の課題である。
  • 子どもの死亡率が減少しているが、まだ高い数値ではある。 5歳未満の子どもの大半は、マラリア、呼吸器感染症、下痢などの予防や治療可能な病気にで命を失っている。 HIVも子どもの死亡原因の一つ。
  • 小学校への進学率が上がっているが、その分だけの先生教育がなっていない。児童73人に対して1人の先生というのが平均となっている。そして入学時は80%の子どもたちが入学するが、小学校卒業時には15%となってしまう。また学校の70%は男女別のトイレをもっていない。

4.視察の内容

マプトのラジオ局(ラジオモザンビーク:child to child)

子どもたちによる子どものためのラジオプログラムでは、子ども自身が番組を制作し、子どもの権利、衛生、教育、幸せについてなどをテーマに放送を行っています。

モザンビーク全体で200人の子どもたちが活動しており、マプトで活動している子どもたちは30人程度。8歳から25歳までの子どもから若い人たちが授業が終わった後や、前に活動をしている(モザンビークの授業は午前午後にわかれている)。他の州で行われている放送では、ポルトガル語の放送の他、地元で使われている言葉でも放送されている。

マプトのラジオ局での写真
子どもたち自身が、モザンビークの未来のために活動している。
医者、俳優、DJ、など、自分たちの夢もいっぱいある。
テテ州立病院の訪問
テテ州立病院では、「赤ちゃんに優しい病院プログラム」に取り組んでいました。「赤ちゃんに優しい病院プログラム」は母乳育児を長期にわたって推進するプログラムで、10個のステップがあります。
  1. 母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
  2. 全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
  3. 全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法を良く知らせること
  4. 母親が分娩後30分以内に母乳を飲ませられるように援助をすること
  5. 母親に授乳の指導を充分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること
  6. 医学的な必要がないのに母乳以外のもの水分、糖水、人工乳を与えないこと
  7. 母子同室にすること。赤ちゃんと母親が1日中24時間、一緒にいられるようにすること
  8. 赤ちゃんが欲しがるときは、欲しがるままの授乳をすすめること
  9. 母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
  10. 母乳育児のための支援グル-プ作って援助し、退院する母親に、このようなグル-プを紹介すること
母乳育児を推奨するポスターの写真
母乳育児を推奨するポスターが病院内にはたくさん貼られています。
テテ州立病院の産婦人科見学
テテ州立病院の産婦人科の写真

【32歳のテレサ・コレアさんにインタビュー】

  • 3つ子を出産し入院中。他に6人も子どもがいる。他の赤ちゃんはモアティゼ郡の保健センターで出産。母乳育児が大事だということを認識しているので、3歳になるまで母乳育児を続けるとのこと。
  • 『村の人々は保健センターに体調が悪くなったら行く』とおっしゃっていました。

保健センターはモザンビークのお母さん達にとって身近な存在となっていることが伺えました。


離乳食づくりのデモンストレーション
離乳食づくりのデモンストレーションの写真

ボランティアのお母さんたちが、コミュニティーで離乳食作りのデモンストレーションを行っています。参加するお母さん達に自分の家にある食材を持ち寄ってきてもらって、限られた食材で離乳食を作ることで、家に帰っても料理ができるようになります。

この日は、ピーナッツやマッピーラ(ソルガム)、カボチャ、バオバブの種の中身(胚乳部分)、イモなどを食材にした離乳食でした。これら食材に、小麦粉と砂糖を混ぜ、煮たものをお母さんと一緒に赤ちゃんたちは食べています。


「ピーナッツ離乳食」の写真
「キャッサバ離乳食」の写真
「スイカの種の離乳食(カレー味)」の写真

【オテンシアさんのインタビュー】

オテンシアさんはデモンストレーション会場に来て、自らもボランティアとして離乳食づくりを指導するお母さんです。

オテンシアさんの写真
  • 保健センターから歩いて1時間位のところに住み、保健センターに来るときは、他の子どもたちは近所の人に預けてきている。
  • 主婦であり、たまに栄養のボランティア活動をおこなうことで、若干の収入を得ている。
  • たまたま体調が悪くて病院に行ったところ、HIVの陽性反応が出た。病院で行われていた栄養のボランティア活動に感銘を受け、自分も行うようになったとのこと。人を助けたいと思うようになった。活動は良い方向に向かっていると思っている。ボランティアの声を住民が素直に聞くようになり、栄養不良の子どもたちが減ってきている。
子どもに優しい学校

モザンビークの小学校は午前と午後に2部制です。昼過ぎに訪問すると、給食の時間でした。給食はWFP(国際連合世界食糧計画)の協力のもと行われています。

また、WFPが指導して、学校農園があります。生徒たちが管理し、育った野菜を使って給食の食材にしています。


「給食の風景」の写真

大きな鍋から子どもたちに食事を配っています。

「給食の風景」の写真

一人ひとりが整列し、給食の順番を待っています。


「給食の風景」の写真

この日はシマ(とうもろこしの粉を練って蒸かしたもの)と豆の煮物が給食でした。

「学校農園」の写真

学校農園にはトマトが栽培されていました。


巡回保健員を見学

巡回保健員とは、医療施設が遠くて施設に通えない人のところに出向き、健康診断をして、もし軽い病気だったら投薬を行ったり、重篤な病気の場合は医療施設に連れて行ったりする、ボランティアの保健員です。

保健員は、自分の担当エリアである、半径20キロメートルくらいの範囲を自転車で巡回しています。

【巡回保健員 アゼベドさんの言葉】

「学校農園」の写真

コミュニティの推薦により、この仕事に就いています。地域の人からも信頼されている人です。

まだ、巡回保健員になって1年しかたっていないので、コミュニティの人々の健康変化は実感しづらいが、その1年続けてこなかったら助からない人がいたことを思うと今後も自分の仕事をしっかりやって、住民たちの役に立ちたいと思っています。


5.メッセージ集の贈呈

今回の視察では、2,500通のメッセージを組合員からいただき、10箇所の医療施設などで働く職員の皆さまに手渡してきました。

シャンガラ保健センター ブリジドさん(薬剤師)
「ブリジドさん(薬剤師)」の写真

モザンビークへきていただき、どうもありがとうございます。こうしたメッセージの支援は栄養不良改善の取り組みを行う私たちとのつながりを感じます。日本の子どもたちにもよろしくお伝えください。

離乳食のデモンストレーションなどのおかげで栄養不良の子どもたちが減ってきたと感じています。これからも一役を担っていきたいです。


シャンガラ保健センター エレスタシアさん(栄養担当官)
「エレスタシアさん(栄養担当官)」の写真

メッセージ、ありがとうございます。

急性栄養不良の子どもたちが少なくなっているのを見てもわかるように、私の将来の夢は栄養不良の子どもたちが病棟から1人もいなくなることです!!


6.ユニセフモザンビーク事務所の方々からの言葉

エマニュエル氏(栄養担当チーフ)
「エマニュエル氏(栄養担当チーフ)」の写真

6年間のパートナーシップ、支援に感謝しています。震災があり、日本が大変な状況にあっても、支援を継続していただけたことに本当に感謝しています。残念ながら、6年間のパートナーシップは終了してしまいますが、ユニセフ、モザンビーク、コープとの関係は最後ではないと思います。今回の視察ですこしずつ子どもたちの状況が良くなっているのを見ていただけたと思います。1円も無駄にせず最善の方法で、活用して行きたいと思っています。

また、メッセージの交流というのは、心の交流にもなりつながりを感じます。心のこもった支援を本当にありがとうございます。


クリスティン氏(栄養担当官)
「クリスティン氏(栄養担当官)」の写真

メッセージ、ありがとうございます。

6年間の支援、ありがとうございました。テテ州は私も初めていく場所で、コープのみなさんが様々な質問をしてくれたので、大変勉強になりました。


バックナンバー
シエラレオネ訪問レポート2014
モザンビーク訪問レポート2013
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モザンビーク訪問レポート2011
モザンビーク訪問レポート2010
モザンビーク訪問レポート2009
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